パチンコ店の事務所のパソコンでは、「販促pop」や「役職共有」などのフォルダをどのパソコンからも共有フォルダへアクセス出来るように設定を行っていることがよくあります。
共有設定のやり方によって、エクセルの外部リンクの設定やVBAでも正常に動作できない場合があります。
ネットワークドライブ
共有したいフォルダを表示させてフォルダを右クリック「ネットワーク ドライブの割り当て」を選択します。
表示されたウィザードで「完了」をクリックでネットワークドライブが作成されます。
設定後に「コンピューター」を開くと以下のようにZドライブが作成されて、普通のドライブのような感覚で操作が出来るようになります。
しかし、この方法では 店長のパソコンではZドライブ、主任のパソコンではSドライブ、事務員さんのパソコンではXドライブと異なるドライブ名になる場合があります。
エクセルでネットワークドライブ内にあるエクセルファイルを外部リンクで取得すると以下のような数式になります。
ネットワークドライブZにある ファイル名「sample.xlsx」のsheet1 のA1セルの値を取得しています。
もし、別のパソコンではSドライブと設定を行っていた場合リンクの更新が行えません。
Excel VBAでファイルを開く記述は
Workbooks.Open Filename:=”Z:\sample.xlsx”
と記述しますが、ドライブ名が異なっているとエラーになります。
また、ネットワークドライブは何らかのトラブルが発生した場合、切断されてコンピュータから消えてしまう事があり再設定が必要です。
これらの事から、ネットワークドライブの使用はお勧めしません。
ネットワークドライブを使用しない方法としては、「IPアドレス」「コンピュータ名」を使用する方法があります。
お勧めは IPアドレス です。
IPアドレス
IPアドレスは、ネットワーク内でそれぞれに異なる番号が振られており同じ番号が存在できない仕組みです。
IPアドレスを利用すると先ほどのエクセルの外部リンクは以下のようになります。
この状態であれば、店長のパソコンからでも、主任のパソコンからでも外部リンクは更新されます。もちろん、共有元のパソコンからでも問題ありません。
ただし IPアドレスにも注意点があります。
通常IPアドレスは、ルータから自動的に番号が割り振られます。
この番号は一定時間ネットワークに接続しなかったり、ルータの電源がOFFになるタイミングで番号が変わる事があります。
これを防ぐために、固定IPアドレス を使用する方法があります。
事務所にネットワーク複合機やWebカメラが事務所に設置されていると思いますが、これらは通常 固定IPアドレス になっています。
固定IPアドレスを設定する場合、手入力で IPアドレス・サブネットマスク・ゲートウェイアドレス・DNS の設定を正しく行う必要があります。
もし、事務所の複合機が 192.168.1.200 となっているのに パソコンのIPアドレスを192.168.1.200 とした場合、パソコンも複合機も正常に動作しなくなります。
固定IPアドレスの設定には、少々ネットワークの知識が必要になります。
誤った設定を行った場合、事務所内全てのネットワークが異常になる場合もありますのでご注意ください。
設定の際は会社のネットワーク管理者に相談してみて下さい。
コンピューター名
コンピューター名を使う方法は新たに設定を行う必要がなく手軽に使用できます。
コンピューター名を使った場合のエクセル外部リンクは以下のようになります。
事務所内のパソコンには、ネットワーク用の名前が付いています。
「システムのプロパティ」から確認や変更ができます。
この「コンピューター名」は事務所内のネットワーク内で同じ名前を付ける事ができません。
ただ、現状で問題がない場合はあえて設定を行う必要はありません。
コンピューター名にもデメリットはあります。
パチンコ企業では、A店 B店 本社 の拠点間がネットワーク構築されている事があります。これを VPN( バーチャル プライベート ネットワーク )といいます。
VPNが構築されているとA店から本社のサーバにアクセスができます。
このような場合は、コンピューター名の使用はできません。
コンピューター名の使用がルーターに接続されている機器の範囲内だけだからです。
この場合IPアドレスを使用することになります。
コンピューター名はパソコン以外の複合機やネットワーク外付けハードディスクなどにも名前があります。
(経験上ですが、コンピュータ名を使った接続は安定しない事があります。IPアドレスの方が安定します)
長くなりましたが、「ネットワークドライブ」はエクセルで外部リンクやマクロを利用するうえではお勧めしません。